![]() | 光の帝国―常野物語 (集英社文庫) 恩田 陸 集英社 2000-09 by G-Tools |
恩田陸「常野物語」シリーズ。
常野(とこの)という不思議な能力を持つ一族を描いた短編集。
超能力などにも似ているけれどオリジナルな「不思議な能力」がテーマになっているのがとても面白い。
一族の持つ不思議な能力は様々ですが、それぞれの持つ能力や性質、それにまつわるエピソードが描かれていて、ゆるやかなファンタジーとなっています。
そういう能力の人々が、ほんとうにどこかで密かに存在しているのではないか、そうだったらいいなぁ。
と思ってしまうようなほんのりとした味わいの作品。
その少しの奇妙さが、リアリティーをもって描き出され、
多くが語られない分、読者のなかにも想像が広がります。
まずはこれを読まなければ始まらないという一作。
そして、そこから派生した「常野物語」シリーズの長編が出ています。
![]() | 蒲公英草紙―常野物語 (集英社文庫 お 48-5) 恩田 陸 by G-Tools |
「光の帝国」で「しまう」能力を持った人たちの話。
時代設定がやや古く、ちょっと戸惑いました。
完成度は高いので、先入観なく読めば、清らかであたたかな話ではあるかな。と思います。
![]() | エンド・ゲーム―常野物語 (常野物語) 恩田 陸 by G-Tools |
「光の帝国」で「裏返す」能力を持った人たちの話。
あたたかな「蒲公英草子」とは一転して、ハラハラさせるグレーな色合いを見せている作品でした。
題材が面白いだけに、深層心理を巡る抽象的な描写、その話の掴みにくさや展開が非常に残念。
とりあえず、現在出ている三作品を読んでみたけれど、
私の中では「光の帝国」に続く長編が「想像以上に面白くない」というところに落ち着いてしまいました。
「蒲公英草子」は好みの部分としてパンチ不足のようにも思え、
「エンド・ゲーム」に至っては期待していた分だけ残念でした。
題材自体が面白いので、話の広がりは期待できるところでもあり、
そこに期待しすぎたという面も大きいかもしれません。




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