2012年01月22日

「詩とファンタジー」2012年冬晶号

B006U04JNS詩とファンタジー 2012年 03月号 [雑誌]
かまくら春秋社 2012-01-19

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最近はあまり言葉に執着しなくなってしまったので、読むのも書くのも前ほど熱を帯びなくなってしまった。
それだけに、過去の自分の詩を読むと、書いててよかったなぁ。と思う。
陽の目をみることはほとんどなかったけれど、今の私にはまったく及ばないものがあって。
それを青春とか、若かったと言うつもりはなくて、あのころの私は荒涼の地にいた。というリアリティ。
他の人に伝わってたかどうかはわかんないけど、私の中のリアリティ。

その私は、今、ここにきて、言葉というものに、あまりリアリティを感じなくなってしまった。
塞がれてるってわけでもない。ここが荒涼の地ではないからなのかな。
きっと以前よりもずっと寒くなくなったからだ。


今月号で心にとまったのは、箭内道彦さんの草野心平によせたエッセイ。
なんかいい文章だった。誰だこの人、と思ったら、猪苗代湖ズの人だった。



このムービーいいんだよね。紅白見逃してしまって残念だったけど。
こういうまっすぐなものが必要なときがあって、それがあの震災のあとに歌われた。この歌がこんなにまっすぐだから、心に沁みた。
理由や理屈や、いろいろな裏づけなんて逆に嘘っぽくて邪魔くさくって、ただ「福島が好き」と歌ってるだけで、どストレートに心にきて、リアリティを持つってこともあるんだな。って。

冷たい津波のことを思うと、心が苦しくなる。
私は、あの寒い地方のことも、海のことも、痛みも、恐怖も、何も知らない。

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2012年01月21日

「この女」森絵都

4480804315この女
森 絵都
筑摩書房 2011-05-11

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どう捉えたらいいかよくわからない。
トカゲのしっぽの切れたヤツが踊っているような。
そんな変なリアリティと・・・・「遺された」という感じの漂う小説。
なんなんだ、なんなんだろう。森絵都は。

物語としては、大阪の日雇い労働者が溢れるあいりん地区にて働く若い青年が、ひょんな流れから「ある女」の自伝的小説を書くことになる話。
小説を書くことになるいきさつ、その女の奇妙な行動、やがてそれに隠された大きな陰謀や、主人公の過去があかされていくというストーリー。
とても読み応えがあり、面白く、ハイペースで読んでしまった。

読ませる力はさすが森絵都だなぁ。と思うし、そこまではいいのだが。

この奇妙な小説の感触は、すべて終わり方に収束される。
まず、いきさつを示唆するように、冒頭に置かれた手紙の文章。
そして小説の本編はある時点を境にプツリと切れたように終わる・・・。

その奇妙さが妙なインパクトで、
けれど、それがいいものなのかどうなのか、よく判断がつかない。

なんやろなぁ。
最後まで結末を知りたかったというのともちょっと違う。
この変な余韻が、この作品の意図なんだろうか。とも思わされるような。
よくわからないけど。

彼女の書いていたヤングアダルトや、直木賞を取った作には、
もっと、わかりやすい作者らしさが溢れ、置かれているのであったが。

決して、この作が悪いという意味ではなく、
ある意味で実験なのか、挑戦なのか。
それともなにか探しているのか、これが彼女の狙いなのか。
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2012年01月09日

「うさぎとマツコの往復書簡」中村うさぎ マツコ・デラックス

4620320285うさぎとマツコの往復書簡
中村 うさぎ マツコ・デラックス
毎日新聞社 2010-11-06

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最近、マツコ・デラックスが気になっているのだが。

それ以上に、マツコと中村うさぎのタッグはすごい。
なんだか話していることが魂の重さみたいなことで。自分の業の深さとか。
この二人はいつもこんなものを持て余しているのか。と思う。

人生においてなにを探しているのか、自分のしたいこととはなんだったのか、自分とは、他者とはどういうものなのか。
そんなことを考えて日々生きているのか!という。

二人とも体張って生きているなー。と。
その分、言っていることが深くて、すごく面白い。
面白いなんていったら、二人にムッとされそうだけれど。

マツコは「人が自分のためだけに生きるのって、実はそんなにモチベーションが維持できないんだってことも、ここにきて痛いぐらいに感じる」と言う。
うさぎは「五十歳にしてようやく地獄から這い出たと思ったら、そこには天国なんかなくて、砂漠が広がっているだけだった。愕然としながら振り返ってみると、さっき命からがら抜け出してきた煮えたぎる地獄のマグマの真ん中に、キラキラ輝く天国を見つけた」と呟く。
うさぎは「私の身に起きたことは、マツコあんたの身にも降りかかる」と断言し、
マツコは「アタシはいったい何をしたいんだろう、何が欲しいんだろう、何て思われたいんだろう、何処まで魂を売り続けるんだろう・・・・。」と嘆き、
「パンドラの箱の底には”ふりだし”って書いてあった」と呟く。

人と違う生き方を選択している分、
自分の魂の重さや、内容や、意味を常に模索している。
意識や重要性が強い分、それらに対する自覚、感覚はより鋭くなる。

でも、彼女たちの言っていることは、私たちとそんなにかけ離れていることではい。
それは時に、私たちが無意識に持っているものであったり、見ないふりをしていることであったりする。
こんなふうに生きるのはしんどいだろうなぁ。と思う一方で、私のなかに彼女たちと似たものが眠っているようにも思う。
ニックネーム にゃんにゃん at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 本ニ枕ス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月03日

「詩とファンタジー」2011年秋茜号

B005R394CU詩とファンタジー 2011年 12月号 [雑誌]
かまくら春秋社 2011-10-19

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3ヶ月に1回のこの雑誌。
この雑誌を手に取ると、「もう出た」と思ったり「ようやく出た」と思ったり。
この3ヶ月の、自分の時間の早さを感じる目安となります。
そして、個人的にこの3ヶ月は本当に長かったー。

前回から、ちょっとの間、便利が良いので定期購読をはじめました。
前回、初めて行った書店で手続きをしたところ、ばっちり顔を覚えられた様子。
今回、新刊を取りに行ったら、「綺麗な雑誌だね〜」と話題になりました。
そうでしょ、そうでしょ〜〜。とパラパラ雑誌をめくって雑談してきました。

今回、いい詩がいっぱいあって好きなものもたくさんあったのですが、
ダントツで、震災を経験された工藤真由美さんの「貝がら」という詩が良かったです。
丁寧で、まるで素足で土を踏んでいるように実感があって、言葉に温度を感じて。
ニックネーム にゃんにゃん at 14:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 詩とファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月02日

川上ミネ「IN THE FOREST」

B0045WCDZEIN THE FOREST
川上ミネ
バウンディ 2010-12-08

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京都の大原にベニシアさんという方が住んでいて、その方の暮らしをNHKで放映をしている。という話は聞いたことがあったのですが。
川上ミネさんは、その番組の音楽を作曲されているピアニストさん。

ある時、偶然、そのベニシアさんの番組「猫のしっぽ カエルの手」を見る機会があり、あぁこれが話題のベニシアさんの番組か〜と思って見てみたら。
丁度、その回が、川上ミネさんがベニシアさんの家を訪ねる。というもので。

その時に川上さんが「感情は全部、音楽になるの」と言って、今日、いただいた紅茶はこんな感じ・・・と、さらさらとピアノを奏でるものだから、こんな人がいるのか!とベニシアさんよりも、川上さんが気になって。

以降、CDを聴きたいと思っていたものの、
レンタルや中古などで出回っていないため、なかなか聴く機会がなく。
最近の癒し系音楽マイブームに乗っかって、えいや!と購入に至ったわけです。

こちらの「IN THE FOREST」は、愛知万博のときに出されたCDで、ちょっと前のものなんだけど、テーマが森で、情景が浮かぶような流麗な音楽。
ピアノの旋律がさらさら流れるように奏でられて、音が、風になったり、星になったりするのがわかる・・・。
本当に心地よいです。

最近、出されたCD「馨」とどちらを買おうか迷いました。
「馨」は「猫のしっぽ カエルの手」で使用されている楽曲が収録されているのだとか。
でも、収録時間が半分くらい短い。
迷いに迷った末、今回は、テーマが森の「IN THE FOREST」を購入しました。
でも、そのうち「馨」も買ってしまいそう。

しばらくハマっていそうです。


川上ミネ
http://www.minekawakami.com/
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2011年10月22日

逆凪諒「Crystalia」

Image104.jpg

インターネットでMIDIを公開している逆凪諒さんのオルゴールCD。
規約さえ守れば、自分のサイトでも使えます。
無料ダウンロードや視聴もできますので、ぜひ遊びにいってみてください。
ネットサーフィンをするBGMなんかにも最適です。

ピアノ曲やオルゴール曲、ボーカル曲など、様々な曲が作られていて、
CD販売も行われています。

この「Crystalia」は割と初期に出されたオルゴールCD。
ストーリーや感情のある音楽。という感じがして好き。
初期のホームページ上で人気を博した楽曲が収録されているだけあって、
充実したクオリティの1枚。

最近、寝つきが悪いなー。と思いながら、このCD聴いて寝たら、
本当によく眠れた。

最近は以前より活動をあんまりしてくれなくて残念。


逆凪諒「遠来未来」
http://enraimirai.jp/

ニックネーム にゃんにゃん at 12:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 曲ヲ聴キ流ス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月17日

「僕は、そして僕たちはどう生きるか」梨木香歩

4652079796僕は、そして僕たちはどう生きるか
梨木 香歩
理論社 2011-04

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こ、、、これはっ!

メッセージ性のある作品ってあんまり好きじゃないんだけど、
この物語に至っては、メッセージがないと成り立たない。

物語としては、コペル君(あだ名・14歳の日本人)のある一日の物語なのだけれど。
膨大な思考と、目を背けられない過去と、過去に基づいた現実と、さまざまな裏づけから成り立つ一日。

作者のエッセイ「不思議な羅針盤」
http://sleepcat.269g.net/article/15884582.html
で書かれていたことが源流となっているのはすごく感じる。
そして、ものすごく丁寧に、丁寧に考えると言うこと綴っている。
この作者の、なんたる労力。

集団のなかでも、流されずにいられるか、自分の心で考えていられるか、
そして、その目指すところは「戦う」とか「守る」とか、
そういうことではなくて「受けいれる」ということ。

割と重いエピソードなんかも出てくるんだけど、
それに遭遇する登場人物たちの考え方や接し方が実に梨木さんらしくて、
このお話が、しなやかで彼女らしく、押し付けがましくなくて、なんかちょっといいこと。って感じの雰囲気を失ってないのがいい。

この小説の中で出てくる
「・・・・・・・泣いたら、だめだ。考え続けられなくなるから」
というセリフはすごい。

泣いたほうがいいという本はいっぱいある。
マイナスからゼロになるには涙は必要だと思う。
でも、ゼロからプラスに進むには、やっぱり真摯な気持ちで考えなければならない。
それは、自分を否定したり、相手を否定したり、物事に理屈をつけるためではなく、「僕たちはどう生きるか」を考えるということ。

うまく紹介はできないけど、
きちんと考えを咀嚼するあなたに、ぜひ読んでみて。と言いたくなるような。
そんな一冊。


 そう、僕はトロくて、小心者で裏切り者の、どうしようもない人間なんだ。
 そう思ったら、なんか、もう、不思議に開き直った気分になってきた。
 ・・・・・・うーん、ちょっと違う。開き直る、って言っても、そうだ、それで悪いか、って好戦的な感じじゃないんだ。
 それは、これまで僕が、ほとんど体験したことのない、なんか、肩の力が抜けたような静かな感情だった。
 全く思いがけないことだけど、「脱力」と抱き合わせでどん底を這うようにしてやってきた、あの「感情」は、もしかしたら、「謙虚」っていう、気持ちに近かったんじゃないかって、今は何となく推測している。

ニックネーム にゃんにゃん at 20:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 本ニ枕ス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする